「薬飲んでね」電話
2016年12月にアルツハイマー病と診断されてから、
朝食後、夕食後に脳を活性化させる薬を飲む事になりました。
1人では薬を飲む事も出来ない母に、毎朝、毎晩、「薬飲んでね」電話をしています。
母の機嫌が良い時は、
「悪いね。迷惑かけるね。ありがとさま」
と、穏やかな様子です。
ですが…
機嫌が悪い時は、
電話に出た一言目が、
「なに?」
です。
こちらが「おはよう」と言っても、
「だから、なに?用事は?」
と、まったく会話になりません。
それでも、アルツハイマー病には否定的な言葉は良くない、という事もあり、
深呼吸して、穏やかな口調に心がけ、「天気はどう?」「ご飯は食べたの?」と、
会話を続けようとします。
ですが、母は怒った口調のまま
「だから、なに?」
というばかり。
心が折れそうになります。
電話を切った後、涙があふれて止まりません。
アルツハイマー病になると、怒りっぽくなったり、攻撃的になる、という事は
ネットなどで情報としては知っていましたが、やはり当事者になると、
頭では分かっていても、なかなか心を平静に保つことは難しいものです。
病気のせい、病気のせい…とつぶやいてみても、涙が止まりません。
「介護鬱」という言葉が実感として迫ってきます。
母の機嫌の悪い状態は1ヶ月ほど続きました。
朝晩の電話の前には、胃がキューと締め付けられるような…感覚になります。
でも、電話しないと薬を飲みません。
深呼吸して、気合を入れて、通話ボタンを押します。
今日は、機嫌が悪くありませんように…祈るように。