アルツハイマーの母を遠方から見守る娘の徒然ブログ

アルツハイマー病と診断された母と遠方から見守る娘の闘いの日々です。

コロナ禍。

 

ずいぶんと長いことお休みしてしまいました。コロナ禍を言い訳にします…

 

突然の新型コロナウイルス感染症の流行に翻弄され続け、すでに3年目になりました。

いつになったらこの状況から解放されるのでしょうか…?

海外ではすでにマスクの着用義務もなく、元の日常を取り戻している、と言うニュースも聞きます。

日本はいつになったら…と思う反面、毎日の感染者数を見るにつけ、まだまだマスクは手放せない、と思ってしまいます。

たとえ、政府がマスクは着けなくてもいいですよ、と言っても、まだ当分はマスク生活を続けていくだろうな、と。

 

我が家では、7月の末に主人と2人、コロナに罹ってしまい、自宅療養をしました。幸い2人とも軽症で後遺症もなく、元気になりました。

感染対策をしていたつもりだったのですが…

これだけ感染者が増えると、どこでどう感染してもおかしくありません。

主人の発症日が連休の最終日だったこともあり、会社の方々には迷惑をかけずに済んだのが、不幸中の幸いでしょうか…

医療従事者のみなさんや、日常生活を支えてくださっているみなさんのご苦労を思うと、本当に頭が下がります。

 

 

さて。

母は、老健施設でお世話になっており、次の施設を探しておりましたが、コロナ禍で施設を探すことも難しくなり、引き続き老健施設でお世話になっていました。

認知症は少しずつ進行していながらも、身体的には元気で、トイレットペーパーや紙ナプキンの収集癖は相変わらずでした。

そんな中、弟から連絡がありました。グループホームの入所が決まったと。

老健施設のケアマネジャーさんやスタッフの方が手を尽くして探してくださったそうです。

長くは入所していられない老健施設にもかかわらず、ご配慮いただいたこと、本当に感謝しています。

 

グループホームは、入所の期限も無く、少人数での生活が出来ます。何事にも拒否反応が強い母には向いていると思います。

なにより、次の施設を探さないといけない、という強迫観念にも似た感覚から解放され、本当に安心しました。

 

コロナ禍で母との面会はできない状況が続いていますが、毎月写真付で母の様子を知らせていただいているのも、とてもありがたいことです。

お風呂に入らない、歯科検診を拒否する…など、スタッフのみなさんに迷惑をかけているようですが、写真を見る限りとても元気そうです。

 

これからも認知症は少しずつ進行していくと思いますが、ひとまず安心してお世話になれる施設が見つかったことはなによりの安心材料です。

 

こうして状況を綴りながら、思うことがあります。

 

「なんて親不孝な、薄情な娘なんだろう」

 

親を施設に預けて介護もせず…罪悪感を感じることもあります。世の中には身を削って介護をされている方が多いのに。

それで本当にいいのか…何度も考えます。

でも、答えは出ません。

これで良いんだ、と、思うしかありません。

ケアマネージャーさんと…

母が老健施設でお世話になって半年になります。

母はすっかり元気で、顔色もよく頬もふっくらしているほど。

相変わらず認知症の症状は進んでいて、母のベッドの周りや棚、引き出しの中には、トイレットぺーパーを丸めたものや手を拭く紙ナプキンがたくさんしまわれています。

ベッド脇のサイドテープルのうえも、着替えの入っている棚も、引き出しも溢れるほどです。

母に聞くと「無かったら困るから」と、言いますが、自分でもいつしまったか、なぜしまったか、覚えていないようです。

 

母の様子は相変わらずで、施設にお世話になってからはだいぶ落ち着いています。毎日、病棟の中を散歩したり、折り紙を折ったり、いろいろな作業をしているようです。

廊下に母が折り紙で作ったお内裏様とお雛様が飾られていましたが、「こんなの、作った覚えはないな」と、言っていました。

 

ある日の夕方、ケアマネージャーさんから電話がありました。母が施設でお世話になって初めてのことです。電話に気がつかず出られなかったので、折り返したところ、すでにケアマネージャーさんが帰られた後で、その日はお話が出来ませんでした。

いつもは弟が連絡を取り合ってくれているので、心配になり、翌日の朝、再度電話を入れました。

母に何かあったのか?何か迷惑をかけたのではないか?と心配して夜も寝付けなかったくらいでしたが、ケアマネージャーさんの用件は

「弟と連絡が取れない。折り返しもない。」

ということでした…

「緊急だったらどうするのか?」

「これからのことも相談したいのに、連絡が取れないのは困る」

「弟と意思の疎通ははかれているのか?」

「こちらは出来るだけ協力したいと思っているのに」

と、繰り返され、連絡が取れないことへのクレームでした。

確かに弟が連絡をしなかったのが一番悪いのです。何度連絡いただいたのか分かりませんか、電話に出られないこと、折り返しも出来ないこと、ようやく手が空いてもケアマネージャーさんの業務時間を過ぎていること、そういうこともあるのではないでしょうか。

その後、弟と連絡を取ったところ、忙しい時期で会議等が続き、なかなかタイミングが合わなかった、とのことでした。

 

こちらはお世話になっている身です。母のことを盾に取られたら、ひたすらお詫びし、頭を下げてお願いするしかありません。あたかも「そんなんだったら、すぐにでも出ていってもらいますよ」と脅されているような…そんな気持ちになりました。

 

自分達で介護することもせず、施設にお任せしていることに、申し訳ないさと罪悪感を抱えている家族の気持ちをほんの少しでも心の隅に置いておいてはいただけないものか…?と思うのは身勝手なことなのでしょうか。

今までにお世話になったケアマネージャーさんは、皆さん、涙が出るほど家族の私達の気持ちに寄り添って下さる方ばかりでした。いつも私達のことを気遣ってくださり、声をかけていただいていました。その分、余計に衝撃的だったのかもしれません。

ケアマネージャーさんとこれからどう付き合って行けば良いのか…難しいです。

出来れば替わっていただきたい…そう思ってしまうのは、やはりわがままでしょうね。

退院。そして施設へ

入院していた母が退院しました。

入院してから体調も良くなり、薬をしっかり飲めているせいか、攻撃性も落ちついて来ました。

主治医の先生からはすぐにでも退院出来る状態になっている、と説明がありました。

入院先の病院も満床で出来れば早めに退院して欲しい、と。

ただ…退院しても前のように1人で生活する事はもう出来ない状況です。

次の受け入れ先が見つかるまでは退院できません。

ケアマネージャーさんに条件に合う施設を探していただきました。

病院からの後押しもあり、出来るだけ母の年金の範囲で賄える施設を見つけていただくことが出来ました。

受け入れ先の施設は「介護老人保険施設」と言われる施設です。リハビリをメインに自宅に戻ることを目指す施設になります。特別養護老人ホームのように期限がなく終のすみかにはなりませんが、半年スパンでお世話になることができます。

母が自宅に戻ることは難しい状況ですが、特別養護老人ホームの順番が来るまで、お世話になることになります。

退院の日、母を迎えに行くと、一瞬私の姿を見て、席を立ったものの、すぐに座ってテレビを見続けていました。ベッドの周りを片付け、看護師さんに退院の挨拶をして、母に退院を告げても、状況が理解できないようでした。

車に乗ると

「何か悪いことしたのか?誰かの物を盗ったりして追い出されたのか?」

と何度も繰り返していました。

体調が良くなったから、リハビリの施設に移ることを説明してもやはり理解できず、同じことの繰り返しです。

老健施設に着いても、何が起きているか全く分かっていないようで抵抗はありませんでした。

もっと拒否され、帰ると騒がれるかとドキドキしていたのですが…

状況が理解出来ていなかったのだと思います。

病室に入ると、おしゃべり好きなおばさまが声をかけてきました。母は露骨に嫌そうな顔をして、

「返事するなよ。面倒くさい。話しかけられても迷惑だ。部屋、変えてもらう。」

と、カーテンを閉めようとしていました。

閉鎖的な性格に拍車がかかっているのには変化はありません。

 

母を介護師さんにお願いして、私は入所の事務手続きと施設長の先生との面接に別室に行きました。

施設長の先生に母の入院前の様子を説明し、今後の方針を伺いました。

施設では、非薬物療法を進めるとのことで、薬に頼らず、脳を活性化することを目標にリハビリを行うとのことでした。最初の3週間は集中的にリハビリをするようです。

脳トレを開発した方と公文が共同で開発した教材を使うようです。

今まで、とにかく薬をきちんと飲ませることに力を注いで来たので、薬に頼らず…と言われても、不安はありますが、お任せするしかありません。

事務手続き中、母が「こんなところに来る予定ではなかった」と怒っているようでしたが、介護福祉士さんからは、「慣れない状況ですし、しばらくは仕方ないですね。」

とのお話をいただき、少し安心しました。

事務手続き後、市役所に介護保険の限度額認定の手続きに行き、母の着替えや必要な物を買い、施設に戻ると母は部屋にはいませんでした。

ナースステーシヨンに声をかけると、母は食堂にいるとのこと。タオルを畳むのを手伝っていたようです。

介護師さんに母のことをお願いして、母には会わずに帰りました。今は少しでも早く施設に慣れてもらうことが一番です。

今までの病院とは違い、老健施設ですからリハビリもあります。母が落ちついて生活出来るようになることを祈るばかりです。

そして、一日でも早く特別養護老人ホームを入れることを祈ります。

 

 

母の入院

母が入院しました。

 

毎日、担当の介護師さんが母を訪問し、安否確認と服薬補助をしてくれていますが、介護師さんの言うことを母は全く聞きません。

居留守を使うことも多く、介護師さんも対応に苦慮されています。

玄関まで出ても、スゴい剣幕で

「何の用だ」「帰れ」

と怒鳴ります。

介護師さんが「具合どうですか?」と声をかけてくださっても、

「あんたの顔みたから具合悪くなった」

と。

そんな母を見ていると、情けなく、心が締め付けられる思いです。

 

もともと食が細いのですが、認知症になってからは、食事をとったか、とっていないかも分からなくなり、お腹が空いたら何か食べる、という生活をしていたようです。

お腹が空かなければそのまま何も食べないという状態のため、どんどん痩せて、体力もなくなっていました。

そんな中、ケアマネージャーさんから今後について提案がありました。

最初にお世話になったオレンジチームの最終会議で、母の現状が報告され、チームの精神科の医師より、入院の提案があった、とのことでした。

服薬出来ないままでは、攻撃性も収まらず、この先の対応も難しく、また、食事もとれていないのも心配とのこと。

一度、入院して、しっかり服薬し、薬の効果が出て落ち着けば、介護師さんを受け入れるられるようになる可能性もある、とのお話しでした。

 

弟と相談の結果、母を入院させることに決めました。

 

母は、精神科の病棟に入院しました。

 

様子を見に行くと、すぐに「帰る」と言います。

自分が入院していることも理解出来ていないようです。自分の病室に入るのに、「こんにちは」と同じ部屋の方に挨拶します。

自分のベッドに座らせて話をしようとすると「ここ、座っていいの?」と言い、自分のベッドだとは思っていないようです。

通りかかった看護師さんを見つけると、

「帰っていいよね?(私が)遠くからせっかく来てるから、帰らないと」

と、しつこく聞きます。

そこは看護師さんも慣れたもので、しつこく食い下がる母に、「帰れないのよ~。また後で話しましょうね~」と、さりげなく話をそらされています。

 

1日でも早く施設に…と願っていたはずなのに、精神科の病棟に入院と初めて聞いた時、鍵のかかった病棟を見た時、少し心がチクっと痛みました。

勝手ですね…

 

今はとても気持ちが楽になりました。母の事を考えると胸がキューっと締め付けられるようでしたが、それもなくなりました。

本当に、勝手です。

あれから1年

アルツハイマー認知症と診断された母との闘いの日々を綴り始めてから1年が経ちました。

あれから、母の状態は悪化の一途を辿っています。どんどん意固地に、頑固に、自分勝手になっていく母。

最近では自分に都合の悪いことを言われると、口をきかなくなります。

そして、「ぐずぐず、ぐずぐず、うるさい」「分かっているんだから、何も言わなくていい」と電話口で怒りだします。

まったく会話になりません。

1か月に1度の病院の付き添いの日が近づくにつれ、私の心の余裕もどんどんなくなっていきます。些細なことにもイライラして、家族に当たったり、泣いたり、怒ったり…

こんな状態が続けば、精神的に追いつめられる日もそう遠くはない気がしてきます。

母は、日常生活のほとんどが出来ません。

片付け、掃除、洗濯、洗い物、料理、入浴、着替え、規則正しい起床、睡眠、服薬…

すべて出来ていません。食事も思い立った時に近くのコンビニに行って買ってくるだけ。同じものを何個も買って、買ったことも忘れてそのまま置いてあることもよくあります。

朝11時頃にようやく起き出し、お腹が空いたら、コンビニに行って500ミリリットルの発泡酒を2本と食べもしないカップ麺、唐揚げ、スナック菓子を買ってきて、昼間からアルコールを飲んで、眠くなったら寝る…

そんな毎日です。

体が動かない訳ではないので、機能的には「出来る」のかもしれませんが、果たしてそれで「出来る」と言えるのでしょうか。

私には一人での生活はもう出来ていないように思えます。

それでも介護認定は「要介護1」

では、どんな状態になったら、施設にお世話になれるのでしょう。

私は1日でも早く施設にお世話になるのが良いと思っています。

ただ、経済的に余裕があるわけではないので、母の年金で費用を賄える施設を探すのも大変だろうと、ある意味覚悟しています。

私は経済的な援助をする余裕はありませんし、そんな気持ちもありません。

住宅ローンも抱えていますし、私たち夫婦の将来のことも考えなければいけません。自分たちの将来を母の犠牲には出来ません。

弟にも住宅ローンがあり、小さい子どもも2人。母に援助するお金があるなら、子どもたちのために残しておくべきだと思うのです。

 

母の状態を見ていると、あまり時間もないように思います。施設にお世話になるための準備も始めなくては…

介護サービスを拒否し続ける母

ケアマネージャーとの契約が済み、介護サービスを本格的に利用するようになりました。

朝、昼、夕、3回、安否確認と服薬指導をお願いしています。費用は月に1万円弱。介護師さんが母と面接出来なくても、費用は発生してしまいます。

母の拒否反応は相変わらずで、介護師さんが訪問されても、対応しないことが多いようです。玄関まで出ても、「忙しいから」「調子が悪いから」と、さっさと追い返しているようです。居留守もしばしば。

たまたま介護師さんの訪問の直後に電話をすると、

「面倒くさいから、帰した。いちいち指図されて気分が悪い。なんで来るんだ。迷惑だ。」

と、怒っています。いつになったら、介護サービスを受け入れてくれるのでしょう。

介護師さんやケアマネージャーさんとの会議でも、母への対応がとても難しい、と言われるようです。

今は、費用も発生していますし、ブロの方にはなんとか母の服薬指導だけでも、進めてもらいたいのですが…

実の娘の私ですら対応に苦しむ母ですから、介護師さんの苦労も理解できますし、本当に難しい問題です。

毎日10時半頃が母への定期電話の時間です。仕事の合間に時間を見つけて電話しているのですが、ここのところ、11時近くになっても、まだ寝ているようです。母は寒いから、布団に入っているだけだ、と言いますが、ガラカラした声からも寝ていることが分かります。

そんなに寝てばかりいて大丈夫だろうか、少しでも外に出たり、散歩したりした方が良いのではないだろうか…

思うところはたくさんありますが、1人暮らしで好き勝手に生活している母には何を言っても無駄ですね。

 

母にとって何が一番良いのだろう

私たち家族とって何が一番良いのだろう

 

介護サービスの利用開始

包括支援センターの担当の方と年末年始の母の様子をお話しする機会がありました。

ゴミ屋敷のような茶の間を片付けようとしたところ、怒りだし殴られたこと、お風呂もまったく入っていないこと、台所は食器で溢れていること、洗面器に下着が水につけて置いてあったこと…いろいろとお話ししました。

担当の方は「辛い年末年始になってしまい、大変でしたね。」とおっしゃってくださいました。介護する家族に寄り添った言葉に助けられています。

「娘さんは本当に頑張っていらっしゃいますね」と、声をかけてくださいます。娘として出来ることをやっているだけではあるものの、「頑張っている」と認めてくれる人がいるのは、本当にありがたいです。いつも涙があふれてしまいます。

 

今後の方針について、主治医も交えて相談したいということで、診察に担当の方が同席されました。母の年末年始の様子から、感情を抑える効果のある薬が追加になりました。

今後はケアマネージャーと契約して本格的に介護サービスを利用していくことになります。

ただ、母は担当の方の訪問にも居留守を使い、面接が出来ないことが多く、今のところは費用がかからないものの、介護サービスを利用すると面接出来なくても料金がかかってしまう、とのこと。

そのため、母が訪問されることに慣れるためにも、担当の方が、毎日、朝と午後に訪問を続けてくださることになりました。玄関にお薬カレンダーを用意していただき、服薬指導もしてくださっています。

薬が変わってから、母は落ち着いているようで、担当の方の訪問にも玄関まで出て行くようになったようです。相変わらず、散らかっているから、と部屋に上げることはないようですが…

 

朝と午後の担当の方の訪問で、私の気持ちはずいぶん楽になりました。

毎日、

私「薬、飲んだ?」

母「は?薬なんてない」

私「薬、あると思うよ~、見てみて」

母「薬なんかない」

私「あるはずなんだけどなぁ、探してみて」

母「うるさい。用事がないなら電話してくるな」

と言うやり取りが無くなりました。

電話で薬を飲ませるのはなかなか難しく、いつも言い合いになってしまいます。どうしても薬は飲んで欲しい、でもなかなか上手くいかない、と切羽詰まる思いでした。

それが服薬指導も含めて担当の方が対応してくれると、薬を飲ませることに躍起にならずに済みます。心に余裕が生まれると、母にも少し優しく出来る気がします。

 

母が独り暮らしであることから、24時間対応可能な居宅介護支援事業所を紹介していただき、ケアマネージャーとの契約が進んでいます。

朝、昼、晩毎日3回の訪問で服薬管理と安否確認を基本に、部屋に上がれるようになったら、食事や入浴等日常生活の支援もされるとのことです。

介護認定の更新手続きも合わせて進めています。要介護1から要介護2になる可能性があるようです。

 

アルツハイマーと診断されてから1年が過ぎ、介護サービスを利用するということは、周りの家族にとっては、とてもありがたいことである一方、母の症状は確実に進んでいるということなのですから、複雑な思いもしてきます。